11月&12月の本
11月の本を書こう、と思っているうちに年を越してしまったので、2か月分纏めます。
2023年は毎月更新するぞ……
小説
犬婿入り(多和田葉子)
ペルソナも犬婿入りも私は、息苦しい、暑苦しい、ヒト・モノから急に突き放されるような、そんな感じがした。
多和田葉子さんの文体が好きなので、ずぶずぶと読みました。
ハチ公最後の恋人(吉本ばなな)
私が好きな小説ってこういうのだったよね、と思った。こういう恋が、大好き。悲恋なのかなあ?そうはあまり思えず、常に心は締め付けられるのだけど、ほっと息をつける瞬間もあって、そういうシーンを心底愛おしいと感じる。
脂肪の塊・テリエ館(著:モーパッサン、訳:青柳瑞穂)
19世紀フランスの階級社会。一つ一つの描写に階級を感じる。苦しい苦しい。今でもあること、無くなってほしいこと、無くならないこと。テリエ館もよいです。
セロトニン(著:ミシェル・ウェルベック、訳:関口涼子)
「良い」人生からふとした心によぎる魔でゆっくりと「転落」していく。私は希死念慮が強い方なので、ところどころで主人公の危うさにひっぱられてしまいそうになる。
やらなければならないことを薬の力を借りてやる。
知らないうちに性欲もなくなる。友達は死んでいく。
純粋にフランスの農業についても勉強になり、とてもよかったです。ここから入るのもいいかも。
彼女たちの場合は【下】(江國香織)
あなたたちの心配なんていらないくらい子供たちはタフにやっていけるのだ。ゆっくりと崩壊していく夫婦。バランスの崩れていく感じがかなり絶妙。こういうところ、わかってくれないんだよね、というところを書いてくれていて、嬉しかった。
走馬灯のセトリは考えておいて(柴田勝家)
走馬灯のセトリは考えておいてが最後に来るのヤバ……となりました。ここまでの短編の積み上げで私の脳みそは完璧にSF。その中から元VTuber(故人)が新技術で配信やってくの最高すぎません?主人公のお父さんの話、まだ完ぺきではない技術と、人間の希望みたいなところで心を締め付けられた。
兎にも角にも読後感が最高だった一冊
嫉妬/事件(著:アニーエルノー、訳:堀 茂樹, 菊地 よしみ)
事件は個人的なことで、とても身につまされる本だった。解説に歴史的背景があるが、モーパッサンやセロトニンを事前に読んでおいたのもよかったかもしれない。
嫉妬、一部の人には共感の嵐なのではないだろうか。こういうことを現実にすることはない。でも妄想したことは、あるのではないか
燃えるスカートの少女(著:エイミー・ベンダー、訳: 管 啓次郎)
内容は突飛だが、内容は人間の不変だ。愛はこうだし、友情はこうだ。一夜の愛はそうだし、女の子を通して語られる切なさも。
恋人を海に放すところで、開放感と切なさ、悲しさで感情がくずれてしまった。
エッセイ
ジーノの家(内田洋子)
あまりに夢のようなことばかりで、これがエッセイだということを忘れてしまう。数週間のイタリア滞在ではとても足りないのだなと心底感じた。
私もいつかジーノの家で、坂道に汗をかきながら、暮らしてみたい。
漫画
勇気あるものより散れ【1~3巻】(相田裕)
ちらつくトリエラとエッタ。苦しい。苦しい。運命が、苦しい人の、とても苦しい生き方。「勇気あるものより散れ」のタイトルが分かるのは3巻くらいかな……?
ガンスリを求めてリコリコ違うわ!なった人には心からおすすめです
初恋の世界【12巻】(西 炯子)
薫さん、お願い、苦しいのはわかるの、苦しいよ。私も硬くなった心をほぐすのはとても下手なので、意地、こうしなければ、と思って突き通したい、でもできない。悲しいくらいに分かって、でも、最後のアレが突破口になるかなあ。
呪術廻戦【21巻】(芥見下々)
まじで置いてけぼりなので読み直すぞ~~~って思っているのにね、まだね、分かんないのによんでる。でも戦闘シーンかっこよくで読んでしまうね
おちたらおわり【8巻】(すえのぶけいこ)
絵が良すぎて読んじゃうんだよね。この巻で謎に思っていたことがかなりすっきりしてきた。最後の怒涛の展開よ……。次巻はやくよみたいよお
以上、年末に読んだ本たち。Kindleで166冊読んだらしいので200冊(漫画込み)いっているのだろうな。
そんな感じで読んでますが、ことしから1日1時間は勉強しないといけないので小説100冊はことしもむつかしいかも。でも、志は高くね。
というわけで、新年も宜しくお願い致します。